シンガポールに本部を置く市場調査会社カナリスによると、世界におけるスマートスピーカーの利用台数は、今年(2018年)の年末までに1億台に到達する見通しだそうです。
昨年末時点における利用台数は4000万台程度だったことを考えると、今年は前年と比べてほぼ2.5倍になる計算です。さらに未来を予想すると、2020年には2億2500万台となり、今年の2倍以上に達すると見られています。
メーカ別シェア・利用国ランキング
各メーカーのシェアを見ていきます。
アマゾンの製品である「Echo」シリーズの今年のシェアは50%超で、同社製品は引き続き過半を占めます。これにグーグルの「Google Home」シリーズが30%のシェアで次ぐといいます。
一方、アップルが今年2月に販売を始めた「HomePod」は、わずか4%にとどまる見通し。かなりの劣勢を強いられていますね。
しかし、今後、市場の拡大とともに、アマゾンのシェアは徐々に低下し、2022年にはアマゾンとグーグルのシェアが、それぞれ34%と拮抗するのだそう。ここが2大勢力なのは変わらないでしょうね。日本の場合は、ここにLINE Clovaが食い込んできます。
利用国はアメリカが断トツの73%。次いで、イギリス(10%)、ドイツ(8%)、中国(3%)、カナダ(2%)となります。中でも注目は中国で、アリババ・グループ(阿里巴巴集団)とシャオミ(小米科技)が、この分野に積極投資をしており、様々なスマートスピーカーが発売されるなど競争が激化しています。
写真はアリババが発売したスマートスピーカー「天猫精霊」ですが、これ以外にもなかりの数が発売されています。中国はまさに「眠れる巨人」らしい。
日本ではまだまだ認知率は低い
アメリカでは一般家庭の20%近くがいずれかのスマートスピーカーを保有しているとのデータもある一方、日本ではまだまだスマートスピーカーとは何か、何ができるのかの認知は低いです。
もっと介護や子守り分野に活用したりと、一般家庭のインフラとして広まればいいなと思いますし、実際に老人や子ども向けのAlexaスキルやGoogleアプリも出てきているので、そう遠い未来ではないと信じています。
筆者の私の家庭もそうなのですが、1人暮らしの祖母にいくら携帯を持たせても使わないんですよね。馴染みがなさすぎると。
音声だけでコンタクトが取れて安否の確認ができるならば、これほど便利なことはありません。
個人の感覚でおもしろい・おもしろくないと議論が起きるスマートスピーカーですが、ライフスタイルに馴染むインフラとしての期待度はかなり高いと思います。いや、期待しています。