どうも、Smartio開発部研究員のシバトウです。
今日は、このSmartio開発部で先日完成したばかりのAmazon Alexaスキル「アリさん解体新書」がどうやって完成したのか。スキル完成までの裏側と開発時に気づいたことなどまとめてみました。
ちなみに「アリさん解体新書」というのはこんなスキルです。
世界一くだらないアレクサスキルを作りました!
— smartio (@smartiolife) 2018年2月9日
名付けて、アリさん解体新書。
いろんなアリの身長と体重をおしえてくれます。(それだけ)#AlexaSkills #アレクサ #Amazonecho pic.twitter.com/HDelxoad1L
ついに審査通過しました!全国のAmazon Echoで利用できるようになりました!ぜひ、使ってみてくださいね。
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アリさん解体新書のスキル完成までに感じたこと
今回Smartio開発部としては始めてのスキル開発となるため、シンプルなスキルを作ろうと決めていました。Alexaに聞いて答えを言ってもらうような、いわゆる「応答形式」のスキルのことです。今回はまずスキルで取り扱う題材の決定時から、どのような受け答えが想定できるかを考えていきました。
1.なぜアリさんなのか?
開発前の初期案には、実はアリさん解体新書も含め3案あったんです。アリさん以外の案の1つは「ポ〇モン図鑑」で、もう1つは「パチモン(ポケモ〇のパロディ)図鑑」。
なぜ、アリさん以外の2案が没になったのかというのは、すごくシンプル。ポケ〇ン図鑑は、当然権利の問題。もう1つのパチモンはキャラクター名が完全オリジナルなので、開発者以外は「何をAlexaに聞けばいいか分からない」のが理由です。
その点、何かしら名前を言って反応するようにした方がいいでしょ!って感じで最終的にアリ案に決まりました。ちなみに「なぜアリか?」というのは、「アリさん解体新書」というスキル名を最初につけた研究員ナガシマのセンスが光っていたからです!スキル名から先に決まっちゃったんですね。
実際に使うユーザーの会話の流れを想像すべし!
Alexaスキルでは、「ユーザーの声に対して、Alexaが正しく反応できるか」。スキルを実際に開発してみて、ここが本当に重要な部分だと感じたところです。というのも、これができていないとユーザーの不満が溜まる一方だからです。
テスト段階で指摘を受けて、なるほどなと感じたところの大部分がこの会話の流れにありました。完成した後のユーザーテストで初めて、会話の流れに問題点が見つかったりするんですよね。
実際に遭遇した問題点について、次の項目でさらっと紹介していきます。
2.アリさん解体新書での会話の流れ
スキルの呼び出しを行った後に「○○(アリの名前)の□□(体長・重さ)は?」と聞くと、その答えとちょっとしたトリビアを教えてくれます。これがアリさん解体新書の会話の流れです。”アリの名前”と”聞きたいこと”の2つを最低限ユーザーに言わせることを想定しているんですね。
そうまさに、ここ!先に出したような質問の形を文字で読む分は何の違和感もないと思いますが、実は裏方では相当な気配りを行っているんですね。
スキルの裏側では、Alexaに対してユーザーの発話意図を理解させるための対話モデルを作りこんでいるのです。
今回のアリさん解体新書では、ここの設定に抜けがあったために「○○(アリの名前)の□□(体長・重さ)を教えて?」や「○○(アリの名前)の□□(体長・重さ)が知りたい。」というような問いかけに応答することができなかったんですね。うん、しっぱいしっぱい。
このようなユーザーテストを通じたフィードバックあってこそ、アリさん解体新書はひとまず完成と区切りをつけることができたわけです。
(カスタム)対話モデルには似たような表現を行うものを設定しておく!
スキルを作るとき、(カスタム)対話モデルの作成は避けて通れません。対話モデルを分かりやすいよう簡単に説明すると、「人によって言い方が違うものの同じことを意味する」ということを理解させるためのルールブックというところでしょうか。
例えば「コーヒーください」とAlexaに判断させたいときを考えてみるのが分かりやすいかも。人によってさまざま言い方が違ってきて、「コーヒーくれ」や「コーヒーちょうだい」であっても同じニュアンスで考えることができますよね。人間なら聞いただけで同じニュアンスであることがわかるのですが、機械は完ぺきではありません。
Alexaを始めとして音声AIアシスタントは何を言っているかの判断はできるのですが、聞き取ったことが同じ意味であるとは判断できないんですね。これを理解させるために対話モデルというものを設定して、スキルが想定する回答をAlexaが返すことができるようになるんですね!
3.スキルの公開申請を進めます!
今後の予定はもちろん、スキルを実際に公開してみること。スキル公開に必要な準備もすすめているので、実際に申請しているところです。うまくいけば、近々アリさん解体新書の進捗について報告できるかもしれません!
すごくくだらないスキルではありますが、もし申請に通ったら一度はインストールして使ってやってください。
公開申請時につまづいたり、Amazon本家からダメ出しを食らったことなど、実際に公開するまでに気づいたことは次の記事でまとめていきます!
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