7月のスキルリワード(報酬)制度で、12万円という額を獲得した「どうぶつABC」。
いよいよ優秀スキルに報酬が出るとのことで、開発者の中には鼻息荒くしてらっしゃる方もいらっしゃるのではないですか?
この記事では、私たちsmartioがどうやって12万円を獲得するに至ったか、どうぶつABCの企画段階から考えていたことやスキルの設計について赤裸々に書いてみます。
これを読んだからと言って、リワードが得られるスキルが作れるとは思いません(smartioも他にリワード獲得したスキルは1つだけ)ので、考え方の参考程度に読んでいただければと思います。
スキル作成でやったこと一覧
- 既出の英語スキルの分析・ダメ出し
- たくさんの発話ブロックを作成
- スキル発動時の発話削ぎ落とし
- お楽しみ要素の盛り込み
- 子どもの嗜好を考える
- 生身の人によるネイティブ発音を収録
- Alexaメルマガでの紹介
特に考えたり頑張ったりした点を詳しく書いてみます。
既出の英語スキルの分析・ダメ出し
そもそも音声だけで役に立つ&面白いスキルという観点で、簡単な(子ども向けの)英語スキルという着地点に落ち着くのにそんなに時間はかかりませんでした。
経験もあまりないからとにかく作ってみようというフットワークの軽さも後押しした気がします。
とにかく、英語スキルを作ることにしたとこから、既出の英語スキルの分析を始めました。
偉そうですが、どこが使いにくいのかを洗い出すと、「聴覚だけだと長すぎる英文はまったく何言ってるのか分からない」という結論が出ました。
そこから、英語を学習するというよりも「触れ合う」というよりハードルの低いところにスキルの目的を設定しました。
「像!」「Elephant!」という至極単純な会話フローも、余計なセリフが多いとすごくストレスを感じるという既出スキルの分析から得たものです。
たくさんの発話ブロックを作成
すぐにスキルを1周されないように、できるだけ多くの動物といくつかのコーナー(練習・クイズ・鳴き声クイズ)を設けました。
発話ブロックを増やすことで、「このスキルはまだまだ知らないセクションがある」という期待感を煽ろうと思ったのです。
設計も目に見えない分、奥行きが分からないというのもVUIの制限であり魅力であると言えるかもしれませんね。
スキル発動時の発話削ぎ落とし
スキル起動時に毎回同じ発話がなされるので、初回起動でも困らないかつできるだけシンプルにしました。
この起動時の説明が長いと、2回目3回目はめんどくさくて起動しなくなると思ったからです。
実際、すぐにモードを選んで遊べるように、かなり最低限の説明しか行っていないのは正解でした。
今はアップデートで2回目以降の起動時に別の会話インデントを作れるようになりましたが、このころは初回も2回目も一緒にしかできなかったので頭をかなり使いました。
毎回同じ説明、いらないですしね。
お楽しみ要素の盛り込み・子どもの嗜好
題材を子どもが好きそうでシンプルな「どうぶつ」というジャンルにしたことが当たったんだと思います。ABCシリーズは他にもいくつもありますが、リワードを獲得するほどヒットしたのは「どうぶつ」だけ。
なじみが深く、鳴き声などちょっと物珍しいコンテンツがあるこのスキルだからこそ、使っていただけたんだと思います。
あと、マイナーな動物を入れることで「お楽しみ要素」も作りました。小学生高学年くらいの子が、「これはさすがにないだろー!」と思って発した動物があって一同盛り上がる。みたいな風景をイメージして作りました。
ちなみにハシビロコウとかドラゴンとか、その辺ですね。
生身の人によるネイティブ発音を収録
本場の発音がどうしても欲しかったので、カナダ人のsmartio編集部サイモンの声を収録してます。
スキルのコンセプトが「ネイティブな発音に触れる」なので、ここは外せませんでした。
Storylineで作ったので、一度全部の音声ファイルを外部のストレージに置いて、URLをいじってインデントに入れるという果てしない作業を経ました。
手をかけてよかったなぁと思いましたが、なかなかの作業量でした。たぶんここをAlexaの発音にしてたらユーザーはつかなかったと思っております。
Alexaメルマガでの紹介
これは外的要因ですが、Alexaメールマガジンで紹介された日からユーザー数がグッと伸びました。
どんな基準で選んでるのか分かりませんが、ラッキーでしたね。
スキルストアもオープン前だったので、スキルの情報源がなかったんでしょうね。
今はスキルの数も増え、画面付きも出たので、まえよりも制限はなくなった反面、なかなか意図して個人がスキルをヒットさせるのが難しくなったんではないでしょうか。
smartioでは毎週、マジでおすすめしたいスキル3選を必死で選んでいるので、よければ見てあげてくださいね、報われます。 本当に毎回3スキル探すの大変なんですよ・・・。毎週水曜に更新してるんですが、更新が終わった時は察してください。
実際に子どもが使ってる反応を見た
前作の「からだABC」を弊社の社長の子どもたち(幼稚園児くらい)に使ってもらった様子を見ていました。
で、めっちゃ楽しそうに遊んでいたんっで、どうぶつもイケるという謎の自信がありました。
上でいろいろポイントを挙げましたが、シンプルにするというのが1番重要だった気がします。
最後に、スキルリワード12万円を獲得した「どうぶつABC」のスタッツを大公開!という記事でも公開してる7月のスタッツがこちら!
数字は左から「ユーザー数(TOTAL)」「ユーザー数の前日比」「発話数(TOTAL)」「1回の起動でに平均発話数」です。
今は面白くて便利なスキルも増えてます。もっともっとスキルが世間に認知されて、いろんなスキルがたくさんの人に使ってもらえますように。
デベロッパーのみなさん、一緒に頑張りましょうね。
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