1月4日(米国時間)、Amazonのデバイス担当SVP Dave Limp氏がAlexa搭載のデバイスが累計1億台販売されたことを発表しました。
これは同氏がThe Vergeのインタビューで述べており、スマートスピーカーのAmazon Echoシリーズなどの自社製品だけでなく、Alexa搭載のサードパーティー製デバイスも含めた数字であるとのこと。
「1億台」と聞くととんでもない数字に思えますが、競合となる音声AIアシスタントのGoogle AssistantやSiriなどと比べるとどうなのでしょうか。
他社AIアシスタント搭載デバイスの販売台数との比較
2018年中にAppleとGoogleがそれぞれ発表した内容によるとSiriとGoogleアシスタントはそれぞれ世界中で5億台以上のデバイスで利用されているとのこと。
こう見ると、途端に1億台という数字がそれほどでも無いように思えてしまいますが、肝心なのはその5億台という膨大な数字のほとんどがスマートフォンであるということです。(Google Homeはかなり健闘しているようですが)
これらの2社は、「スマートフォン」という現代の人にとって最も身近なデバイスにAIアシスタントを搭載することでこの膨大な数を叩き出したのでした。しかし、数は多くてもこれらのすべての人々がAIアシスタントのアクティブユーザーなわけではありません。
あくまでもスマートフォンのおまけ的な機能としてしか見ていない場合も多かったり、あるいはまったく使っていない人も多いのではないでしょうか。
Amazonがこの度発表した1億台の内訳ははAmazon製のAlexa搭載デバイスやその他サードパーティ製のデバイスですが、おまけとしてではなく、消費者が主にAIアシスタントを利用することを目的としてデバイスを購入しているという構図があります。
これが他社の数字との相違点であると言えるかもしれません。
ただ、この点において優位ではありますが、スマートフォンというプラットフォームを他社に握られていることはAmazonにとっては脅威でもあります。
Amazonの強み
強みは、やはりAlexa搭載や対応の家電などサードパーティー製の製品が多いことで、これにおいて他社を大きくリードしています。
Amzaon自体がAlexa Connect Kitという組み込みキットを発表しており、他社が製品にどんどんAlexaを組み込むことを推進しているように見えます。
家電などに組み込まれることで、住・生活環境そのものに焦点を当てて拡大を図っているのです。
さらに2018年9月に発表された「Echo Auto」ではついに一般の車でAlexaを利用できるようになるということで、現在すでに100万台の予約があるとのこと。
自宅や職場、車といった人が生活する環境(アンビエント)に同居して自然に利用できるものを目指すということで同社は「アンビエント・コンピューティング」や「アンビエント・インターフェイス」をキーワードにしているようです。
他社の展開も含め、今後どのようになっていくか非常に楽しみですね。